歴史家 ・ 著述家 ・ 講演者

César Pellicer

セサル・ペリセル

「歴史は分厚い書物のなかにあるのではない。われわれの血のなかに生きているのだ。」

C・G・ユング
ギュスターヴ・モロー《聖ゲオルギウスと竜》(1889–1890年頃)
ギュスターヴ・モロー《聖ゲオルギウス》
セサル・ペリセルの肖像
César Pellicer Marco歴史家
著者

英雄の足跡を追う歴史家

バレンシア大学で歴史学を修めたセサル・ペリセルは、論文には現れないもの ―― 民族を、そしてそれを守る人々を鍛えあげる、精神的・神話的な力を研究している。

専門は中世・近世ヨーロッパ、そして日本の歴史と文化。その研究は地政学、古代の軍事戦術、国民的アイデンティティを形づくる精神的・神話的要因を横断する。

スペイン陸軍の『軍事史研究誌(Revista de Historia Militar)』に論文を発表し、オスヴァルト・シュペングラー高等研究アカデミーで教鞭をとる。著書・講座・講演を貫く一本の糸は、ギリシア、ローマ、封建時代の騎士道、そして侍の日本を流れる英雄的価値である。

César Pellicer · La caballería pagana · EAS
Hespérides 叢書

「異教の魂は、〈伝統〉という隠れた川のなかに、ひそやかに生き続けた。」

Editorial EAS
セサル・ペリセル著『La caballería pagana』表紙(序文:ゴンサロ・ロドリゲス)
著書 ・ 2025年 ・ スペイン語

La caballería pagana

『異教の騎士道 ― 封建カトリシズムのなかの異教的英雄価値』

中世は、すべてがキリスト教的だったわけではない。騎士の鎖帷子の下では、古典世界の元型が脈打っていた ―― ホメロスの英雄、ローマのウィルトゥス、戦士の誓い。

セサル・ペリセルはこの地下の川を古代からクレティアン・ド・トロワの物語までたどり、騎士道の理想が二つの世界の総合として花開いたことを明らかにする。

Areté異教の英雄性
+
Gratiaキリスト教の敬虔
=
騎士道封建時代の理想
叢書
Hespérides ・ EAS
頁数
232
序文
ゴンサロ・ロドリゲス
ISBN
978-84-19359-83-4

読者レビュー Goodreads Amazon のレビュー

四つの道

ひとつの精神、四つの鎧

重装歩兵から侍まで、戦士の倫理は名を変えてくり返し現れる。セサル・ペリセルの仕事がたどる四つの伝統。

ギリシアἀρετή

重装歩兵

アレテー ・ 卓越

己の本分において最も優れた者となり、死をも越える栄光を得ること。アキレウス、そしてテルモピュライに踏みとどまった者たちの理想。

ローマvirtus

軍団兵

ウィルトゥス ・ ピエタス ・ フィデス

共同体(res publica)に捧げる勇気、神々と祖先への務め、交わした言葉への誠実。その最後の擁護者が皇帝ユリアヌスであった。

ヨーロッパhonor

騎士

名誉 ・ 忠誠 ・ 武勇

アーサー王の世界は古代の英雄を受け継ぎ、洗礼を授けた。異教の武勇とキリスト教の信仰が、同じ鋼のなかで鍛えられる。

日本bushidō

侍

義 ・ 誠 ・ 忠義

東方の鏡 ―― 正しさ、誠実さ、そして死に至るまでの忠義。世界のもう一方の端で生まれた、もうひとつの騎士道。

掟

ひとつの世界を支える六つの言葉

騎士が古代の戦士から受け継いだ伝統的な価値を、それぞれの原語で。

ギリシア語
ἀρετή
アレテー ・ 卓越

自らがそうあるべきものに、完全になること。行いによって測られるホメロスの英雄の徳。

ラテン語
Virtus
ウィルトゥス ・ 勇気

自らの誉れのためではなく、共同体のために振るわれる勇気。

ラテン語
Pietas
ピエタス ・ 聖なる務め

アエネアスの敬虔 ―― 神々へ、祖国へ、そして背負ってゆく血統への務め。

ラテン語
Fides
フィデス ・ 信義

聖なる絆としての約束。封建的な臣従の誓いの根。

スペイン語
Honor
名誉 ・ 尊厳

命をかけて守る汚れなき名。ギリシアのクレオスを騎士が受け継いだもの。

日本語
まこと

言葉と行いがひとつであること。侍のまっすぐな心。

異教の魂は、〈伝統〉という隠れた川のなかに、ひそやかに生き続けた。
— 『La caballería pagana』より
隠れた川

三千年の英雄の伝統

前8世紀

ホメロス『イリアス』

アキレウスとヘクトルが、英雄の型を永遠に定める ―― 戦場のアレテー、不滅の栄光。

前480年

テルモピュライの戦い

レオニダスとスパルタ兵が犠牲を模範に変える。盾のλ(ラムダ)が象徴となる。

前1世紀

ウェルギリウス『アエネーイス』

ローマの英雄は栄光のみを求めない。神々・祖国・血統への務め、ピエタスを背負う。

361 – 363年

最後の異教皇帝ユリアヌス

キリスト教化の進む帝国で、古の祭祀の復興を試みる。

1170 – 1190年頃

クレティアン・ド・トロワ

ランスロ、ペルスヴァル、聖杯 ―― その物語のなかで古代の英雄はキリスト教の騎士として甦る。

12 – 19世紀

侍の道

日本では、もうひとつの武人貴族が独自の掟を鍛えあげる ―― 武士道。

1954 – 1955年

トールキン『指輪物語』刊行

叙事詩が20世紀の文学に帰ってくる。アラゴルンは、アキレウス、ジークフリート、アーサーの継承者。

1966年

三島由紀夫『英霊の聲』

民がもはやその犠牲を理解しないとき、死者たちは安らぐことができない。

講座・講演

言葉を、声にして

セサル・ペリセルは、オスヴァルト・シュペングラー高等研究アカデミーで講座と講演を行っています。オンラインのライブ配信で、録画も視聴できます。いずれもスペイン語での実施です。

オスヴァルト・シュペングラー高等研究アカデミー

すべての講座・講演はオスヴァルト・シュペングラー・アカデミーで開講されています。お申し込みと録画の視聴はアカデミーのサイトから。

「ヨーロッパの大叙事詩 ― ホメロスからトールキンまで」のポスター
受講受付中 講座 · オスヴァルト・シュペングラー・アカデミー

ヨーロッパの大叙事詩 ― ホメロスからトールキンまで

  • 2026年9月23日〜10月23日
  • ライブ配信・2時間×全10回
  • オンライン・スペイン語

三千年以上にわたりヨーロッパの文化的アイデンティティを形づくってきた英雄物語をたどる講座。『イリアス』『オデュッセイア』からアーサー王物語、ニーベルンゲン、聖杯伝説、そしてJ・R・R・トールキンまで。英雄の元型はいかに生まれ、なぜ今も私たちの文学と想像力の中に生きているのか。

再生ボタンを押したときにのみ YouTube から動画を読み込みます。

予告編 ・ 講演

騎士と侍 ―― 英雄的エートスの二つのかたち

ヨーロッパと日本、並行する運命をたどった二つの武人貴族。11世紀の封建制から、パヴィアと長篠で火薬の前に没落するまで。

講演を見る

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紋章:青地に赤の立ち獅子、舌は金
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